今回は王道カクテル"ギムレット"を炭酸で割ったカクテル"ギムレットハイボール"を、ノンアルコールカクテル=モクテルへとアレンジしていきます。
最近の流行りなのか、甘さを控えるギムレットが多いようですが、歴史を知るとなぜギムレットは甘いのかがわかると思います。
ギムレットの歴史
現在ではジンとライムジュースで作られるカクテル"ギムレット"ですが、誕生の背景はご存知でしょうか?
1890年ごろにイギリスの海軍将校たちは、配給されたジンをよく飲んでいました。
ジンばかりを大量に飲む事を心配した軍医、ギムレットは、健康維持や長い航海でのビタミンC不足による壊血病の予防のために、ライムジュースを加えて飲む事を提唱しました。
これが一般的なギムレット誕生の背景と言われています。
他にはギムレット=錐(キリ)であることから、刺すような鋭い味わいや錐で混ぜて作っていたからという説もあります。
ギムレットはなぜ甘い?
さてギムレットの歴史や誕生した背景をご紹介しましたが、ではなぜ『ギムレットは甘い』のでしょうか?
まずはフレッシュライムが当時は貴重で高価であった事が挙げられます。
中南米やカリブ海周辺の植民地まで航海を進めれば、ライムは一般的で手に入りやすかったようですが、それでも冷蔵の設備に乏しかったこの時代では、長期の保存は難しく、大量に手に入れたとしても、場所もとるという事から、どうしたものかと頭を悩ませていたそうです。
そんな中1867年にラフラン・ローズという男性が、ライムコーディアルという商品を生み出しました。
この加糖されたライムジュースは、加糖されたことにより長期の保存が可能になり、その上フレッシュライムを大量に保存するよりは、はるかに場所もとらず使い勝手もいい!という事で、瞬く間に海軍のみならず一般家庭にも浸透していきました。
この歴史的背景があるからこそ、『ギムレットは甘い』という主張をさせて頂いています。
ギムレットに炭酸を加えたギムレットハイボール
歴史のお話はこれくらいにして、ギムレットに炭酸水を加えたカクテル、ギムレットハイボールをノンアルコールカクテル=モクテルへとアレンジしていきます。
まずはレシピからです。
◼︎レシピ
・タンカレーアルコールフリー・・・45ml
・1883サトウキビ・・・・・・・・15ml
・ライム・・・・・・・・・・・・・1/8カット
・卵白・・・・・・・・・・・・・・1個分
・ウィルキンソンタンサン・・・・・120ml
・丸氷・・・・・・・・・・・・・・1個
◼︎作り方
・炭酸水以外をシェイカーに入れ、しっかりとシェイクする
・丸氷を入れたグラスに注ぎ、ゆっくりと炭酸水を注ぐ
・優しくステアしたら完成
通常は使用しませんが、卵白を使用する事により、ふわふわの泡をプラスして、さらに口当たりよく楽しめるように仕上げました。
卵白を扱う際はしっかりと混ぜ合わせる必要がありますので、ミキサーやミルクフォーマー等
を使用するのが確実な方法です。
もちろん卵白を使用しなくても、楽しめます。
甘みを多くする事で、味わいに厚さを持たせながらも爽やかさを保てるようなレシピとしました。
以上となります。
健康のためにジンを飲むのをやめるのではなく、ライムジュースを加える発想は日本人にはあまりないかもしれませんね。
◼︎ライターについて
・kazuki@モクテルクリエイター
JMA代表 ウイスキーコニサー ウイスキー検定1級 テキーラマエストロ
"昼にお酒を飲んだって、夜にノンアルコールだっていいじゃない"
お酒を否定するつもりはなく、当人もウイスキーが大好きで、特にタリスカーが好きです。
お酒を飲む人も飲まない人も、一緒に楽しめる文化を作りたいと思っています。
モクテルのスペシャリストを育成する資格講座、"モクテリスト"の運営もしています。
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