【REVIEW】訴訟問題がたくさん?バドワイザーゼロ

キリッとした苦味の少ないスッキリとした味わいが特徴の、"バドワイザー"から遂にノンアルコールバージョンが誕生しました。

今回はそんな"バドワイザーゼロ"を飲んでいきたいと思います。

そもそもバドワイザーとは?

バドワイザーは1876年にアメリカで生まれたビールです。
ドイツ系移民のアドルファス・ブッシュが販売を開始し、「KING OF BEERS」をキャッチコピーとしています。

バドワイザーのこだわりはいくつかありますが、特徴的なこだわりは"ビーチウッド製法”と言うのがあげられます。

ビーチウッド製法とは、
熟成時にビーチウッド(ぶなの木)を入れることにより、酵母がビールに触れる面積が広がることから発酵がスムーズに進み、フルーティーな香り、バドワイザー独特の味覚を作り出す。
となっております。

またバドワイザーは、通常ビールを醸造するには20日程度を要するところを、30日をかけ丁寧に醸造しています。

これらの製法により、スムーズで滑らかなビールが生まれます。

ヨーロッパにはバドワイザーがない?

アドルファス・ブッシュが販売を始めたバドワイザーですが、実はさまざまな"訴訟問題"に振り回され続けたブランドでもあります。

そもそも"バドワイザー Budweiser"は、ヨーロッパ屈指のビール産地である、チェコの"ベーミッシュ・ブドヴァイス"にあやかるぞ!って事で名付けたと、本人が広く公言しています。

そしてこのアドルファス・ブッシュは、そのあやかった名前を、アメリカ国内で商標登録をします。自身のブランドを守るためには当然の事ですが、ここで大きな問題が...

実はそれより以前から、チェコのブジェヨヴィツェ市民醸造が"ブドヴァイゼル・ベルゲブロイ"の販売を行っていました。

これにより"バドワイザー""ブドヴァイゼル"の間で、商標を巡る争いに発展していきます。

なかなかに長い間争った結果、チェコ側がアメリカに限り、商標権を放棄した事により、バドワイザーとしての販売を続けています。

アメリカに限りなので、ヨーロッパの主な国ではバドワイザーの商標を使用する事が出来ず、"バド Bud"や"ブッシュ Busch"と名前を変えて販売しています。

この争いは実は日本でも行われていて、バドワイザーの商標登録を行い、チェコのブドヴァイゼルブランドのビールの輸入・販売差し止めの訴訟を起こしています。

結果としては、輸入や販売差し止めを制限する必要はないとして、判決は下されましたが、さすがは訴訟大国・アメリカって感じです。

そもそもバドワイザーという名前は「有名な地名にあやかって名前をつけました!」って大々的に宣伝しているにも関わらず、独自の造語です!似たような名前のビールはダメです!って言えちゃうのが凄いですよね...。

バドワイザーゼロを飲んでみる

さて、それではバドワイザーゼロを飲んでいきます。

グラスに注いでいくと、ほんのり麦芽の香りが漂います。
色はしっかりとした金色で、ビールを感じさせる色合いです。

飲んでみると、やはりバドワイザー。基本的にはゴクゴク飲めるように、スッキリとしています。
国産のビールに慣れている人から言わせると「薄い」と言われる意味もわかります。

全体的にスッキリと飲めますが、ほんのり甘さと酸味もありながら、飲み終わりにはしっかりと苦味も感じられます。

チャートに表すと以下のようになります。

◼︎甘味 1
◼︎酸味 2
◼︎苦味 3
◼︎コスパ 4
◼︎キレ 4

甘味、酸味、苦味、それぞれ1点ずつ増やしていきましたが、実際にはそれぞれ、1.5、2、2.5と、少しずつ増える印象で、どれかが突出しているわけではなく、バランスよく仕上がっている印象です。

コスパですが、1本350mlで税込約142年。休肝日や、ビールの味わいが欲しい時に気軽に買えて、この味わいは素晴らしいと思います。

最後にキレですが、バドワイザーらしくスッキリ爽やかに楽しめるものになっています。
ゴクゴクと飲めますが、ビールをよく飲む人にとっては、物足りないくらいスッキリしているかと思います。

最後にちょい足ししてみる

今回ちょい足しするのはこちらになります。
割るだけで紅茶が簡単に作れる"TEA BASE"をちょい足ししてみます。
まずはレシピです。

◼︎レシピ
・バドワイザーゼロ・・100ml
・ボスティーベース・・10ml
・1883サトウキビ・・5ml


◼︎作り方
・順番にグラスに注ぎ、軽く混ぜ合わせると完成

バドワイザーの爽やかさと、若干残る苦味に、紅茶の香りと酸味を加えて、サトウキビのシロップで甘さのバランスを取りました。

サトウキビのシロップを入れないと、より紅茶の酸味を感じられますので、甘さを抑えたい人や酸味がお好きな人は、入れない方が良いと思います。
私は少し甘さがある方が好みなので、入れたレシピにしています。

ボスのティーベースのシリーズは沢山ありますので、他のものを使用してみても面白そうです。
以上となります。

スッキリ爽やかな味わいのバドワイザーは、意外とドロドロした歴史がありましたね。

◼︎ライターについて
・kazuki@モクテルクリエイター 
JMA代表 ウイスキーコニサー ウイスキー検定1級 テキーラマエストロ

"昼にお酒を飲んだって、夜にノンアルコールだっていいじゃない"
お酒を否定するつもりはなく、当人もウイスキーが大好きで、特にタリスカーが好きです。
お酒を飲む人も飲まない人も、一緒に楽しめる文化を作りたいと思っています。

モクテルのスペシャリストを育成する資格講座、"モクテリスト"の運営もしています。

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