「日はまた昇る」や「老人と海」などの作者と知られる"アーネスト・ヘミングウェイ"は、実はカクテルにかなりのこだわりがあったことで知られています。
そんなヘミングウェイが考案したカクテル"Death in the Afternoon"を、時代を超えてモクテルにアレンジしていきます。
薬+シャンパン=?
Death in the Afternoon=午後の死
とんでもない名前が付いているカクテルですが、この名前はヘミングウェイ自身の短編の名前をそのままつけたと言われています。
シャンパンを使ったカクテルなのですが、果たして何を加えて飲んでいたのか...?
なんと......
........
........
........
火薬です!!
火薬です。そう!あの火薬です。
なぜ火薬を加えて飲もうと思ったのかはわかりませんが、黒色火薬というものを加えて飲んでいたようです。
そもそも黒色火薬を飲んでも大丈夫なのか?
黒色火薬の材料は、木炭と硫黄、酸化剤として硝酸カリウムを使用しています。
これらは、いわゆる"毒性"はないとされているものなので、口に含んでも問題はないようです。
ヘミングウェイの言葉に
“My mojito in La Bodeguita. My daiquiri in El Floridita”
「我がモヒートはボデギータに、我がダイキリはフロリディータに」
という言葉があります。
ボデギータとフロリディータ。どちらもお店の名前で、お店を指定して飲むほど強いこだわりがあったことが窺え、フロリディータに至っては、本人の銅像が店内に飾られています。
ちなみにヘミングウェイが好んだダイキリは、砂糖を抜いてクラッシュアイスで作ったダイキリと言われており、現在のフローズンダイキリに近いものとされています。(レシピは意外と複雑)
そんなこだわりの強いヘミングウェイですが、だからといって、シャンパンに火薬を入れて飲んでみるという発想になるでしょうか......?
現代のDeath in the Afternoon
流石に現代においても、黒色火薬を使用して作るわけがなく、現在はシャンパンとアブサンで作られています。
一般的なレシピはこちらです。
◼︎レシピ
- アブサン・・・・2/5
- シャンパン・・・3/5
以上の材料をグラスに注ぐと完成です。
ヘミングウェイが指定していたシャンパンは"マム"のシャンパンだと言われています。
あの”赤いリボン”が特徴的なシャンパンです。
モクテルverのDeath in the Afternoon
前置きはこれくらいにして、Death in the Afternoonをノンアルコールカクテル、モクテルへアレンジしていきます。
まずはレシピから
◼︎レシピ
- NEMAアブサン・・20ml
- デュクドゥモンターニュブリュット・・100ml
◼︎作り方
- それぞれの材料をシャンパングラスに注ぐと完成
使用したのは、日本におけるノンアルコールジンのパイオニア、NEMAのアブサンです。
厳密には"アブサン風味のノンアルコールジン"と説明されている通り、アブサンだけではないのですが、十分にアブサンの香りが感じられるのでこちらを使用しました。
シャンパンの代用に使用したノンアルコールスパークリングワインについては、下記をご覧下さい。
アブサンやハーブ類の香りが、初めから最後まで優しく香りつつ、スパークリングワインの酸味と炭酸のシュワシュワ感が楽しめる味わいとしました。
ヘミングウェイが好んで飲んでいたDeath in the Afternoonは、もっともっとパンチがあった(火薬を使っていたので当然)カクテルであったと思いますが、こちらのモクテルは、多くの人に楽しんでもらえながらも、程よくクセを感じられると思いますので、是非作ってみてください。
以上となります。
あの文豪、ヘミングウェイが考案したカクテルを紹介しました。
これを飲みながら、名前の由来となった短編を読みたいですね。
◼︎ライターについて
・kazuki@モクテルクリエイター
JMA代表 ウイスキーコニサー ウイスキー検定1級 テキーラマエストロ
"飲まない日だって充実を"
お酒を否定するつもりはなく、当人もウイスキーが大好きで、特にタリスカーが好きです。
お酒を飲む人も飲まない人も、一緒に楽しめる文化を作りたいと思っています。
モクテルのスペシャリストを育成する資格講座、"モクテリスト"の運営もしています。
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